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経営数値の扱い方

コラム

健全な経営を進めていくためには、数値に基づく経営管理が必須です。

しかし、その扱い方によって、数字が武器になることもあれば、経営の足を引っ張ることもあります。

今回は、経営者や管理職がどのように数値を読み解き、扱っていけば良いか、といったことをお伝えできればと思います。


多くの方にとって、月次収支表等の経営数値で一番最初に確認したいところは「利益がどの程度出たか?」ではないでしょうか?

全ての企業にとって利益は当然のことながら重要で、利益を出し続けられるからこそ、市場で生き残ることができます。


また、計画管理をしている会社では、計画に対して売上はどうだったのか?利益はどうだったのか?コストはどうだったのか?といった視点で収支表を見ることもあるでしょう。


これらは全て正しい数字の見方だと思います。

しかし、数字を武器にするためには、「数字の裏側」を知ることが重要だと、弊社では考えています。


数字とは無機質なものです。

たとえば「100万円」という数字は誰が見ても一見同じに見えます。

ただし、その背景には現場の汗と苦労、様々なドラマがあり、どのように100万円が導き出されたのかを深く想像することで、はじめてその良し悪しを判断することができます。


経営においては「結果が全て」かもしれませんが、結果を導くためには、社員に何かを伝え、奮い立たせ、動いてもらう必要があります。


たとえば、1000万円の利益を見込んでいたにも関わらず、100万円の利益しか出なかった場合、数字を無機質に捉え「利益が足りないぞ!」と社員に言うのは簡単です。


しかし、その100万円の裏側を深く知れば、称えるところは称え、指導するところは指導する、という表現に変わるはずです。

同じことを言うにもその言い方や言葉の端々から感じられるニュアンスも全く変わってくると思います。


当然、それを受け取る社員も「あぁ、自分達の苦労をこんなにわかってくれるているんだ。もっとがんばろう」と思えるでしょう。


昨今、目標数字を追求させ過ぎたがゆえに、社員から意見が上がらなくなり、不正が蔓延するというようなケースも頻発しています。


数字は扱い方によって、武器にもなりますし、足枷にもなります。

数字の扱い方を誤れば、経営者はどんどん孤独にもなり得ます。


経営数値は社員の不出来を追及するためにあるのではなく、社員を奮い立たせ、モチベーションを上げるために活用すべきだと弊社は考えています。


企業は「人」で成り立っています。

「人」の気持ちが変わってこそ、業績向上のための具体策が実行ベースで機能していくのだと思います。